セクハラ対応の難しい点
セクハラの対応で一番重要なのは早期対応です。
特に、被害者からの申し出には早い段階で真摯に対応し、話を聞く必要があります。
しかしセクハラ対応は、そう簡単にいかないのが実情です。
セクハラの訴え出は一筋縄ではいかない
セクハラの被害者は、セクハラと感じていながらなかなか訴え出ない傾向にあります。
自分の身を案じて訴え出てこない
特にセクハラ窓口がない会社では、セクハラを訴え出るイコール解雇という恐怖と戦わなければいけないので、なかなかセクハラを訴え出ません。
例えどんなに口を酸っぱくして、どんな小さな問題でもセクハラがあったら訴え出るように社員に通知していても、セクハラの被害者はなかなか行動を起こしてくれません。
それで問題化が収束に向かえばいいですが、大抵の我慢は我慢のままでは済まず、いつかは爆発します。
セクハラの加害者が何食わぬ顔で出世したりすると、特にセクハラの被害者は爆発しやすい傾向があります。
訴え出を翻す
たとえ訴え出たとしてもしばらくすると訴え出を翻すケースがあります。
セクハラの加害者が、被害者の直属の上司だった場合などにその傾向が強くなります。
上司と常に行動していると、上司の部下の一体感が強くなり、それで上司はセクハラを犯すわけですが、部下はそのセクハラに不快感を示しながらも、セクハラの訴え出で相手が苦しんでいるのを眼の前にして罪悪感を感じてしまうのです。
最悪の場合、会社が訴え出への対処を始めた途端、被害者がセクハラの訴え出を取り下げてしまいます。
そうするともう、どにも対処ができなくなります。
もちろん、これで問題が解決するのであれば問題ありませんが、不満が解決したわけではないので別の機会にセクハラへの不満が噴出するようになります。
一度抑えた不満の再噴火は、最初の時よりも大きくなる傾向が大きいが特徴です。
セクハラへの不満が噴出しない場合でも、会社の弱腰な姿勢に当事者以外の社員の上司に対する不満が溜まり業務効率が著しく落ちてしまいます。
問題が小さいうちに素早く対処する
いずれのケースも、なるべく素早く対処していてれば問題は大きくなりません。
被害者の訴え出を受けて、加害者に早い段階で注意を与えるとともに、状況を被害者に報告するようにしましょう。
場合によっては、被害者の日常的な車内風土への不満を聞くなどして、徹底して不満の解消をはかります。
公平な対処が可能なセクハラ窓口を設置しよう
被害者が訴え出やすくする環境の構築が、セクハラ対策で一番重要です。
そのためには、社内にセクハラ窓口を設置するより社外に設置した方がより公平な対応が可能です。
社外に窓口を設置する場合、弁護士や社労士などの公的な資格の保持者ではなく、コンサルタントなど相談に長けた人や会社に任せるといいでしょう。
弁護士や社会保険労務士への相談は、悩み苦しんでいる身からすると自分の相談によりさらに自体が大きくなるように感じ、とても勇気が必要になります。
まずは相談しやすいように、気軽に相談できる窓口を設置しましょう。
セクハラ窓口は外部に任せよう
セクハラ対応は、なるべく社外に求めた方がいいでしょう。
セクハラなどの恥ずかしい部分を社外に出すなんてもってのほか、と思う向きも多いと思いますが、セクハラ問題がこじれて不本意な形で社外に出るよりはましです。
社外にセクハラ窓口などを設置する姿勢を社内に示せば、積極的にセクハラに対処している点を社内外にアピールすれば、かなりの好印象を与えられるはずです。