労基法についてきちんと理解しないと危ない
同も世の中、法律は守らなくてもいいという風潮があるような気がします。
道路交通法は法令遵守意識が低いという好例
運転免許を取るときはあんなに一生懸命法律やルールを勉強したのに、免許センターで免許を取得した途端、一時停止線で止まらなくなる、黄色信号になると加速して赤信号ギリギリで通過しようとする、制限速度は守る方が文句を言われる。
これって何故なんだろうと、 いつも疑問に思っています。
もちろん、自分だってきっちりと交通法規は守らないし、全ての法律をきっちり守ることはかなり難しいことです。
しかし、コレってなぜ?という気持ちはいつもあります。
守れない法律は存在価値すらないのでは?という感じです。
労働基準法は強行法規
法律といえば労働基準法はかなり厳しい法律で、労基法より低い条件で労働契約をした場合、その契約は無効とされます。
労働基準法に関連する法律、例えば最低賃金法も同様に強行放棄と考えられていて、最低賃金法に定められた以下の賃金の雇用契約は無効になります。
こういった法律は、強行法規と言います。
条項によっては、違反した場合にはかなり厳しい罰則が課せられます。
労基法は守れないと公言する経営者多数
しかし、ネットでは、相変わらず労基法を守っていると会社が成り立たないなどどいいうことを言う人がいて、それがネット上でも影響力がある経営者だったりすると、暗澹たる気分になってしまいます。
労基法が強行法規である理由
労基法は、労働者対経営者の構図において、労働者はかなり弱い立場であるという考え方で、圧倒的に労働者が優位な法律です。
昔から、経営者は労働者を搾取してきたという歴史があり、経営者どころか親までも子供を会社に売り渡すということが、ほんの100年くらい前までは普通に行われていました。
こういった経緯を無くそうと、戦後に労働者を守るために制定されたのが労基法です。
労基法は企業を取り締まるための条項がいっぱい
ほとんどの経営者の義務に関する違反には罰則があります。
監督官庁の立入検査の権限を認め、労働基準監督官には特別司法警察権限という、司法警察員として労働に関する犯罪の捜査と被疑者の逮捕、送検をする権限が与えられています。
経営者による労働者の搾取を防止するためのあらゆる手段が講じられていると言えます。
実態は法の精神とは異なることが多いが
しかし、実際には労働基準監督官の人数に対する、企業、特に中小企業の数の多さと、労働者側にも自分の権利に対する認識の不足があり、労働基準法の精神がきっちりと守られているとは言えない状況です。
中小企業は法律違反に注意したい
中小企業は、労働基準法に関する知識不足から、あたかも道交法の点数制度のように罰則を考えてしまう傾向があり、法律違反を安易に犯しやすい環境になっています。
しかし、法律違反の状態を放置し、問題が発生したとか労働者側から訴えられるなどの状況になった時、企業はかなり不利になることがあるので注意が必要です。
罰則を受けた場合は、公共工事だけでなく一部の民間企業の業務においても、業務請負の請負資格がなくなる可能性があるので注意が必要です。
労働トラブルを解決する社会保険労務士
社会保険労務士は、労務や社会保険に関する書類作成の代行とともに、これらに関する相談、指導を行うことができる公的な資格です。
しかし実際の社会保険労務士の業務は、書類作成代行業務の方が料金体系がわかりやすく依頼されやすいので、相談・指導はあまり熱心に取り組んでいないのが現状です。
問題解決には実務での経験が重要
労務や社会保険に関する相談・指導には実務経験が重要ですが、社会保険労務士は労務や社会保険に関する知識はあるものの、実際に問題を解決した経験があるとはかぎりません。
相談・指導は、労働争議などの個別指導を除き、社会保険労務士以外も行うことができます。
みんなの総務部は、過去に企業で労務や社会保険のさまざまな問題にあたってきた経験を生かして問題解決にあたることができます。