テレワーク導入・定着に重要な「業務の棚卸し」

テレワークがうまくいかない・・・

テレワークの導入がうまいくかない、導入したけどなかなか定着しない、というケースがとても多くなっています。

そういった多くのケースで、パソコンやインターネット環境、セキュリティツールなどを取り急ぎ調達して、そのままテレワークを導入して、どんな業務をテレワークにするのか検討をしていない会社が多くなっています。

その結果、業務の効率が落ちたり、テレワークを拒否する従業員が出てきたりして、結局テレワークの導入失敗になってしまいます。

テレワークは、うまく導入すれば、働き方改革につながり、業務効率が向上し会社の業績も向上します。

しかし、無理に導入すると、かえって逆効果になってしまいます。

まずは、どんな業務をテレワークにするのか、業務棚卸しを実施しきちんと検討してからテレワークを導入しましょう。

業務棚卸しとは

業務の種類とその内容、さらに作業時間を可視化することです。

業務棚卸しによって、以下の点に効果があります。

  • 現行業務課題の洗い出し
  • あるべき業務プロセス設計
  • 業務属人化からの脱却

業務棚卸しがテレワーク導入・定着に必要な理由

テレワーク前

どういった業務をテレワーク対象にすれば良いか分からない。

本当にテレワークが導入できるか不安

テレワーク導入で業務の効率が下がるか不安

テレワーク導入後

上司
  • 部下がちゃんと仕事をしているかわからない
部下
  • 上司がちゃんと評価してくれるか心配
  • 私の仕事はテレワークは絶対無理だから、テレワークなんかしたくない!

業務棚卸しの方法について

業務棚卸しの方法は、以下のとおり3種類があります。

易度/項目 初級 中級 上級
業務負荷
可視化レベル 個人 部全体

(テレワークに特化)

部全体

(業務全体に特化)

作業イメージ 一週間の予定をエクセル などに落とし込み、テレワークが実施できるように日程調整をする。

注:ルーティン業務が 少ない人には適さない。

部での業務をすべてエクセルなどに落とし込み一つ一つの業務に対して テレワーク実施可否を算出する 部での業務を大・中・小項目ごとに切り分け、エクセルなどに落とし込み、項目ごとに担当者・業務量と業務時間などを加えたのち、テレワーク実施可否を算出する

棚卸し初級編

個人毎の業務を、1週間、1時間単位で棚卸しします。

季節的な業務や臨時に発生する業務は考慮せず、よく発生する業務を記入します。

曜日/ 時間
9時 社内清掃等 庶務 企画書作成 会社説明会準備 文書作成
10時 会議の準備 社員の勤怠確認 企画書作成 会社説明会 文書作成
11時 打ち合わせ
(テレビ会議)
社員の勤怠確認 企画書作成 会社説明会 文書確認
12時 ランチ ランチ ランチ ランチ ランチ
13時 備品の発注 備品の発注 備品発注 備品発注 備品発注
14時 業務指導 打ち合わせ 研修資料作成 打ち合わせ プロジェクト
15時 業務指導 打ち合わせ 社員研修 打ち合わせ プロジェクト
16時 業務指導 提案書作成 研修資料作成 打ち合わせ 面接準備
17時 業務指導 提案書作成 研修資料作成 移動 採用面接
18時以降 業務指導 交流会 ノー残業デー 社外セミナー 採用面接

内容により、業務量がの多い少ないや、自宅で実施可能かどうかをチェックします。

会社出社しなければならない仕事と自宅でも可能な日が混在している場合は、業務実施日の移動を検討したり、他の人で業務を代行できるかを検討して、テレワーク可能な日を作り出します。

棚卸し中級編

テレワークに移行できそうなプロジェクトについて、業務の内容や業務実施可能な場所、時期や比率を洗い出し、テレワーク実施可否について検討します。」

業務内容 場所 時期 比率 テレワーク可否
情報セキュリティ基本方針策定
基礎データ収集 自席 通年 10%
妥当性検討 会議室 1Q ×
目標の設定 会議室 1Q ×
計画アナウンス 自席 2Q
情報セキュリティ推進活動
WEBサイト構築・運用 自席 通年 80%
年間計画検討 会議室 1Q ×
マニュアル作成 自席 1Q
計画フェーズ支援 自席 2Q
運用フェーズ支援 自席 4Q
統計データ集計 自席 4Q
内部監査 会議室 3Q ×
外部監査 会議室 4Q ×
認証登録手続き 自席 1Q
サイバーセキュリティ研修
部門別管理責任者研修 会議室 1Q 10% ×
IT推進者研修 会議室 1Q ×

この表では、1Qと3Q、4Qの一部業務でテレワークが不可能の結果です。

時期によってはテレワーク不可能となることを認識したうえで、テレワークに移行します。

現時点でテレワーク移行不可能と判断した業務であっても、ツールの導入によるテレワーク移行可能性を検討します。

例えば、「サイバーセキュリティ研修」は、現時点ではテレワーク不可の判定ですが、対象者へのパソコン配布やビデオ研修の環境を整えることで、テレワーク可能性があるので、検討を継続します。

棚卸し上級編

業務効率化や年度業務計画と同じような内容です。

まず、部や課の中の仕事を洗い出し、部長:大項目→課長:中項目→担当:小項目の流れで、業務を記載していきます。

業務量は、業務量以降は、担当者が記載し、課長、部長は内容を確認します。

業務内容分類 担当者 業務量(月平均時間) 業務時間 発生頻度 業務変動 利用システム
大分類 中分類 小分類 Aさん Bさん Cさん Aさん Bさん Cさん
給与計算 正社員 勤怠確認 10 5 15 月次 固定 Excel
手当計算 15 15 月次 固定 Excel
天引き計算 15 15 月次 固定 Excel
給与算定 15 15 月次 固定 Excel
給与支給 15 15 月次 固定 Excel

利用システムで、エクセルなどのコンピュータシステムを利用しており、そのデータが社外でも利用可能な状態であれば、テレワーク可能と判断します。

会社で使用しているパソコンは、自宅に持ち帰らず、オンラインで使用できるようになっているのがポイントです。

また、情報セキュリティ体制がきちんと構築されていない場合は、別途検討を必要とします。

まとめ

テレワークを始めるにあたって、どんな業務が社内にあり、その業務がなぜテレワークが可能なのかの検討はとても重要です。

特定の個人しか担当していない業務の多くは、出社しないと絶対にできない業務が多い傾向があります。

こういったところから、テレワーク破りがはじまり、テレワークの導入ができなくなります。

また、社員はどうしても業務に対して保守的になる傾向があり、出社時間がなくなるからといって、テレワークを歓迎しない傾向があり、ちょっとした問題点でもテレワーク破りをしがちです。

きちんと業務の棚卸しを行い、テレワーク必要な業務と従業員を認識し、必要なツールを提供してテレワークを導入しましょう。

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