災害時の通信手段を検討してみましたその3と結論(全3回)

災害時の通信手段の検討3

最後は、ちょっとローテクな、トランシーバーのご紹介です。

ローテクな分、災害時に強い通信手段です。

でも、通信できる距離が短いため、用途は慎重に選ぶ必要があります。

トランシーバー

トランシーバーというのは、工事現場とか警備員とかが、手に持っている機械で通話していることがあると思いますが、その手に持っている機械のことをトランシーバーといいます。

手に持てるほど小さな機械から発射される電波で、離れたところと通話することができます。

トランシーバーの特徴は、携帯電話のような基地局を使わず直接トランシーバー同士話ができることです。

基地局を使わないので、広域の停電にとても強い通信手段です。

ただし、トランシーバーだと通話できる距離は数kmで、せいぜい同じ町内とか同じ地区内でしか通話することができません。

簡易業務無線

高いビルの上や山の上で利用すればかなり広範囲に通信することができますが、その設備の維持にはかなりの金額が必要になり、また、それでは携帯電話と同じことになります。

また、お金をかけて中継器を作ったとしても、通信できる範囲はせいぜい県内にとどまります。

業務で使うトランシーバーは社内に無線業務に従事することができる有資格者がいないと使えませんでしたが、最近は、無線従事者がいなくても免許をもらえるトランシーバーや、登録するだけで使えるトランシーバーの登場により、仕事でも気軽にトランシーバーを使えるようになりました。

アマチュア無線

トランシーバーを趣味で使うのが、アマチュア無線です。

手に持つことができるタイプのトランシーバーから、机にしか置けないような大型なものまで、たくさんの種類のトランシーバーを使うことができます。

また、使える周波数も、簡素な設備で日本全国と更新できる短波から、衛星通信が使うような極超短波まで様々で、業務用のトランシーバーでは通話できないような距離とも通信ができます。

アマチュア無線を楽しむためには「アマチュア無線技士」という国家資格が必要になり、利用できるのはアマチュア無線業務という「もっぱら個人の趣味のため」だけになります。

防災用のためにアマチュア無線局を開設するのは法律違反ですが、非常時にはアマチュア無線業務以外の通信が可能なのがポイントです。

災害時にアマチュア無線を使えば、安価に効果的な通信ができるようになります。

ただし、アマチュア無線は通信内容に暗号を使うことはできませんので、通話内容は誰に聞かれても構わない内容のほうがいいでしょう。

まとめ:災害時の通信手段のおすすめは

災害時でも強い通信手段は、やっぱり衛星電話でしょう。

特にワイドスターは、通話料金も安価で、手軽に導入することができておすすめです。

ただ、ワイドスターは気軽に持ち歩けるタイプではないので、非常時の連絡手段として、事務所の中に設置しておくという感じでしょうか。

事業継続計画を考えるなら衛星電話を中心に

災害発生時及び発生後に積極的に事業継続を計画する場合は、持ち運びができるスラーヤやイリジウムが便利でしょう。

罹災した工場や事務所での使用はもちろん、本社や他部署から支援の際の連絡手段や、契約サプライヤーとの災害連携、地元への情報提供などで大活躍すること間違いないしです。

イリジウムは、日本の無線機メーカーであるICOMから、トランシーバータイプの端末が発売されました。

携帯電話のデメリットである、一対一でしか通話できないとか、バッテリーのヘリが速い、などの欠点が解決されています。

トランシーバータイプだから、通話自体は一方通行だけど、なぜか同時通話もできるので、普通のトランシーバーでの通話よりは、慣れていない人でも問題なく使うことができるでしょう。

その他、トランシーバーを用意しておくと、自社施設周辺の活動に便利なので、予算に余裕がある場合は簡易無線などのトランシーバーを用意しておくと良いでしょう。

事業継続を考えないのならスマホで十分

携帯電話が通じることが前提なら、社員個人個人のスマホを頼るのがいちばんです。

最近は、災害用の一斉同報メールサービスがたくさんあります。

これらのサービスの多くが、地震発生時や警報発生時、電車の不通など通勤障害など、会社から社員へ指示を出す必要がある時、事前に定めた条件に従い自動でメッセージを発信してくれるので、会社の災害対策担当に負担をかけること無く社員に自宅待機などの支持を出すことができます。

 

災害用の通信機器のコンサルティングやります!

災害時の通信手段の一つとっても、企業の状況や考え方で必要な装備は大きく変わります。

ここに上げた以外にも、様々なトランシーバーがあります。

災害時への対応は、ぜひ専門のコンサルタントのコンサルティングを受けることをおすすめします。

みんなの総務部では、災害対応のコンサルティングを準備中ですので、ぜひお問い合わせください。  

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